サイクロン式の性能を上げるのは超大変
わが家の掃除機は、サイクロン式に限ります。

理由はただの一点。紙パックはランニングが高いんです。3枚入りで1000円を超えるような高価な消耗品はできれば使いたくないんです。
もちろん、吸引力、排気のクリーンさでも、溜まったゴミを捨てる際の清潔さまで、掃除機としての機能は、すべてにおいて紙パック式のほうが優れています。そもそも、サイクロン式に限らず、掃除機の集塵方式のアイディアはかなり古くから様々な方式がトライ・アンド・エラーを繰り返していました。そして、最終的に真打ちとして登場したのが紙パック式掃除機で、紙パックの登場によって掃除機が一般家庭にあまねく普及することになりました。ですから理想的な掃除機である紙パック式に対して、サイクロン式は多くの根本的な欠陥を抱えています。
非効率な吸気しかできない
第一に、サイクロン式は、モーターのパワーを紙パック式のように、そのまま吸引力として使えません。吸気のうず(サイクロン)を作って、その遠心力で吸引したゴミと空気を分離しなくてはならない宿命なので、吸気から排気までの道筋をわざわざスムーズでなくす必要があります。大きいゴミから小さいゴミまで段階的に遠心分離しようとするために、各所でうずが発生するように吸気の道筋を抵抗、障害だらけに設計するわけです。つまり、モーターのパワーをそもままフルに吸引力にまわせる紙パック式に比べて、モーターのパワーのかなりの割合を、ゴミを分離できるほどの高速のサイクロンを作るために割かないといけない。サイクロン式は非効率な吸気が約束された方式です。

上げられない濾過の能力
第二に、それだけパワーを割いてサイクロンを作りまくっても、それでも本当に細かい細かい、微細なチリは分離できません。それをそのまま排気してしまうと、空気中に微細なチリが大飛散することになるので、排気する前に最終的にフィルターで濾過します。これはフィルターレスを謳う製品でも同じで、実際にはフィルターレスのサイクロン掃除機は存在しません。しかし、あまり高性能な、目の細かいフィルターで覆ってしまうと、ただでさえ低い吸引力が更に低下しまうので、このフィルターは、あまり性能の高いものは使えません。良くて、メーカー純正の濾過機能の高い紙パックに劣る程度のフィルターが使われます。微細なホコリ、花粉やウイルスなどの分離は、期待しないほうがいいです。
集めたゴミをキレイに捨てれない
第三に、溜まったゴミを捨てる作業です。これはサイクロン式の最大のデメリットで、紙パック式が他の集じん方式の掃除機を一気に駆逐した最大のポイントです。紙パック式なら、紙パックを外してゴミ箱にポンです。簡単で清潔です。最近では、掃除機から外す際に給気の穴まで塞いでくれるシャッターが付いているパックまであります。しかし、サイクロン式はゴミのコンテナを開けると、まず、それだけでもうフワッフワッと細かいチリが飛散します。そして、コンテナをひっくり返せば、大体のゴミは落ちますが、庫内の端々に粉末状のチリが堆積して固まっています。集塵に風のうずを使うので、空気摩擦の静電気でコンテナに粉末ゴミがどうしてもくっつきます。これをコンテナに付属しているハケで落とすのですが、かなり広範囲に細かいチリが飛散してしまいます。そうなると、部屋の中でこの作業をするには抵抗を感じるようになるので、庭やベランダや玄関先でやるのですが、大体そういった場所は、無風状態ではありませんから、殆どの場合において粉末ゴミを撒き散らすことになります。向かい風でも吹けば体中にチリが付着してコナコナになりますし、衣類が帯電している冬場などは、風がなくてもびっちりコナコナになります。ですから、この作業、正直あまりやりたくないのですが、そうはいきません。しょっちゅうしなくてははいけません。
サイクロン式は、コンテナにゴミが溜まって、空気の流れが設計から外れると高速の空気の渦を十分に作れず、遠心分離の能力がガタ落ちします。また、紙パック式のように圧倒的な吸引力でゴミをフィルターに押しやって圧縮して小さくするなんて芸当はできませんから、掃除機をかけ終わる度にコンテナの中には結構な体積のゴミがふんわり溜まります。結果、ほとんどの場合、掃除の度にコンテナのゴミを捨てなくてはなりません。慣れてはきますが、大変に不愉快な作業です。さらに、付属のハケでは落としきれない微粉塵を落とすために、定期的に(月に1回くらい)はコンテナの全パーツとフィルターのフルメンテ(高圧水流による水洗い、そして乾燥)も必須で、この際にも盛大に微粉塵が舞います。
わたしは、もし宝くじがあたってお金持ちになれたら、真っ先に「掃除機を紙パック式にする」と、心に決めています。
わが家のトルネオV(VC-MG920)
さて、そんな低性能が確約されているサイクロン掃除機ですが、わが家では現在、東芝製のトルネオVのVC-MG920というモデルを使っています。そもそもサイクロン式なんて欠陥掃除機、真面目に作ってる会社がダイソンと、日本メーカーなら東芝と三菱電機くらいしかありません。三社の中で、ダイソンはスタイリッシュですが、ちょっと躊躇してしまう価格設定ですし、以前使っていたのが三菱電機製だったので、「じゃあ東芝にしよう。」となり購入しました。

性能的には、以前の三菱電機製の「風神」とほぼ大差ないです。時代が新しいぶん、確実に小型化と軽量化が進んでいて、取り回しが楽になっていて、そこには感動すら覚えましたが、掃除機の機能としては、この掃除機もやはり吸引力が弱いままです。やはりサイクロン式は圧倒的に吸いません。
タービンブラシという罠
ですので、掃除機としての性能を大きく左右するのが、実はヘッド部分だったりします。ダイソンなんかのヘッドは非常にコンパクトで、吸引面を小さくすることで面積あたりの吸引力を上げています。トルネオVも吸引面は細長く狭いです。しかし、それでも安物の紙パック式にすら全く太刀打ちできない程度の吸引力なので、ヘッドに強力なモーターを内蔵してヘッドブラシをゴリゴリに回して、まずは床のゴミをしっかり掻き出して浮かせてから、それをそよそよと本体に吸い込みます。つまり、サイクロン式の掃除機のヘッドは、ブラシが自分で回転する自走式(モーター式)の商品以外は絶対に買ってはいけません。乱暴に言うならば、サイクロン式は、仕事をアシストしてくれる強力なホウキがセットで、はじめて一人前の掃除機として仕事をしてくれます。タービン式のヘッドはやめとくのが吉です。「タービン」という言葉は響きは強そうですが、『流水、蒸気、ガス、空気などの作動流体が持つ運動エネルギーを回転運動に変え、動力として利用できる機械』という意味で、要は掃除機に吸引力を風車的に使ってクルクルまわるだけです。ホウキとしての効果もビミョーな上に、なけなしの吸引力がさらに落ちます。

掃除機の勘所、自走式ヘッド
で、この自走式のヘッドがなかなか難しいんです。とりあえず思い付くだけでも、
- 本体をカバーするために、できるだけ強いモーターを載せたいが、小さくなきゃダメ。
- ブン回るモーターの排熱がうまくできないと、ギアやベルトなんかが終わる。しかも吸気はホコリや砂まみれ。
- 効率的にゴミを浮かすために、ブラシはできるだけ長くしたいが、吸引力が弱いので、できるだけ開口部の面積は減らしたい。つまりできるだけ細くしたい。
- ブラシは細いので高い回転数が必要で、当然フローリング、絨毯、畳などの様々な床材での集塵に効率的で、攻撃性は低くなくてはならない。
- ハウジングは極端な角度での使用にも対応できる自由な取り回しを求めたデザインが必須。
- 当然、ブラシ以外は、できるだけ軽く、できるだけ薄く、できるだけ小さく。
- しかし同時に実用では相当な強度も要る。
と、まあ、矛盾する要素ばかりが凝縮された部分なんです。もし私がここのデザイン部門に配属される辞令が出ることがあれば、即座に転職を考えるでしょう。大手の一流家電メーカーのデザイナーでもなかなか100点の回答が出せないので、各メーカーでデザインの志向に幅があって、三菱電機は堅牢に、ダイソンは長いブラシは諦めてデザイン勝負、東芝は軽量に振ってます。
軽量ヘッドの信頼性
サイクロン式の掃除機における第二の心臓とも言える回転ヘッドブラシなんですが、わが家のトルネオVのヘッドブラシが、すこぶる調子が悪いんです。去年購入して使い始めてすぐ始まった症状なんですが、ガラガラとやたらとうるさく鳴くことがあり、なんだか集塵能力も悪い気がします。特に絨毯で使っているときに鳴きやすく、これ不良品なんか?とも思いえます。説明書通りに外せるところは外してあれこれしてみたんですが、それといってわかるような不具合や故障箇所も見当たらない。結局1年弱、だましだまし使ってきたのですが、あんまりガラガラ鳴くんで、保証書を確認したところ、保証期間が購入から1年以内となってましたので、思いきって修理のお願いをしようと思いました。

東芝ライフスタイルのサポートサイトにアクセスして、「インターネットからのお問い合わせ」に進み、

あとは個人情報と、問い合わせの内容を記入して、送信。あんがい簡単で、10分程度で済みました。

直るといいのですが…。
「トルネオの修理」につづきます。
参考書籍:
ジェームズ・ダイソン 「逆風野郎 ダイソン成功物語」
参考サイト:
Wikipedia、コトバンク、YouTube、dyson、ジェームスダイソン財団、ふかきあきじ、弁理士の日々 、日経クロステック、イノベーション教育の散歩道、元修理屋が選ぶおすすめ家電、など。
画像元サイト:
Wikimedia Commons、東芝、など。


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