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シフトケーブルを交換してみた

自転車

わが家の大黒柱、妻の通勤の足として長らく活躍してくれているマウンテンバイク、GIANT(ジャイアント)のTRANCE4。

TRANCEシリーズはGIANTの山遊び系バイク。「4」はパーツのグレードを落としてプライスを抑えたTRANCE四兄弟の末っ子。(© 2019 kukurunbo)

元々は山遊び用に買った道具でしたが、数年遊んでから「往復1時間の通勤の足」係に配置換えになりまして、もうわが家に来てから15年は経つ歴戦の勇者です。

この間にさまざまな部品を交換しました。ペダルの軸が折れたり、前輪のブレーキディスクが曲がって回らなくなったり、いろいろありました。中でも、信じられないことですが、ギアクランク(ペダルを踏んで回す大きな歯車)が落ちて突如「大人用ストライダー」になったこともあります。へたったり破れたりし易いサドルは、もうそろそろ4回目の交換時期です。ハンドルのグリップやタイヤのような消耗品は何度替えたかもう数え切れません。

で、先日。妻が帰宅しまして「あー、なんかまた自転車が変だわー。切り替えがなんか変だわー。前の一番外側のディスク(ギアクランクの一番大きな歯車)にチェーンがどうしても入らんくなってー。音もなんかうるさいしー、遅いしー、なんとかしてくんない?」と、修理依頼が入りました。さっそく診てみると、なんとシフトケーブルが破損しておりました。ケーブルの破損なんて初めての経験だったので、原因が解るままでしばらく変速機やらチェーンやら、あちこち弄って、しばらく悩んでしまいました。解った時には「ワレまで壊れるんかい!!!!」とビックリしました。

ピントが合っておりません。ちなみにGIANTはアルミフレームのTig溶接では世界屈指の技術力を持つと言われています。ド派手な溶接痕が、このTRANCE4のフレームのあちこちでも誇らしげにその存在を主張しています。(© 2019 kukurunbo)

…15年も使い倒すと、こんな箇所まで壊れるんですね。そりゃそうか。ネットを見ると、ワイヤーやケーブルは数年ごとに交換せよ!と指南しているページもあったりして、「え~!?それは流石に…」って感じもしましたが、パックリ逝っていらっしゃるので、もう応急処置的なものは到底無理。アマゾンのタイムセール祭りを待ってそれっぽいケーブルをポチりました。手で触れれる程度に自転車も洗って、さて、修理交換にトライしてみます。

(© 2019 kukurunbo)

問題の箇所は、アウターケーブル(アウターケーシング)同士が当たって擦れてシルバーの被膜が剥がれていたところでしょうが、それ以外の箇所も被膜の樹脂が全体的にカチカチだったので、まあ、経年劣化で寿命が尽きたのでしょう。

用意したシフトケーブルのセットはこちら。

シマノのパッケージは本当に素晴らしいです。必要な情報が簡潔にわかりやすく載っています。(© 2019 kukurunbo)

鮮やかなカラーの物にしようかと思ってたんですが、これがタイムセール品になってたので、迷わずポチりました。大阪堺が誇る世界ガリバー、島野工業様御謹製でございます。

残念ながら色は真っ黒なんです。派手目のカラーが良かった…。(© 2019 kukurunbo)

古いケーブルを外す作業を始めます。まずはケーブルの中を通っているワイヤーを引き抜かなくてはならないんですが、ステンレスワイヤーのエンドが竹箒のようにささくれてとても引き抜けません。

このササクレだけでも如何に適当に整備していたかがわかります。ワイヤーの固定ボルトの通し方も間違ってます。(© 2019 kukurunbo)

で、今回、ワイヤーカッターなるものを用意しました。これはね、結果から言いますと、ご自身で交換作業をなさるなら、用意されたほうが良い工具です。ニッパーとかペンチとかで代用できるんじゃね?とお考えの方も、ご検討されてはいかがでしょうか。

(© 2019 kukurunbo)

で、ワイヤーカッタの実力を見てみます。

ささくれだっている手前をつまんで軽く力を入れると、(© 2019 kukurunbo)
(© 2019 kukurunbo)

見てくださいこの切れ味。ニッパーとかペンチだとかとは、まさにレベチ。レベルが違います。パキッと切れます。そして切断面の美しいこと。ステンレス線の束が崩れずに切れるので、指で先を触っても変に刺さったりしません。

これで古いワイヤーが引き抜けるようになったので、今度はハンドルの変速レバーにあるプラネジを外して、ケーブルエンドから引き出します。

プラネジというか、ほぼプラキャップ。弱いです。(© 2019 kukurunbo)
引き抜き作業中です。ピントが…(© 2019 kukurunbo)

これがバイクに付いていたフロントのシフトケーブルのセット一式。

(© 2019 kukurunbo)
古いケーブルはジャグワイヤー製でした。ジャグワイヤーはワイヤー系パーツの中では、代表格くらいに名の通ったブランドみたいです。(© 2019 kukurunbo)

古いアウターケーブルの長さに合わせて新しいアウターケーブルを切断していきます。

黒色のケーブルはやっぱり地味。作業のテンションが上がりません。(© 2019 kukurunbo)

ワイヤーはパキッと切れましたが、この太くて硬いアウターケーブルは流石にゴリゴリゴリッといった感じで切れました。

ピント…(© 2019 kukurunbo)

それでも少しレモンっぽい形に潰れていたくらいで、この切断面は立派。ケーブル内側のナイロンのチューブは流石にペチャンコだったので、ピンセットと千枚通しで形を整えます。苦労するかと思いましたが意外と手間取りませんでした。

完成です。(© 2019 kukurunbo)

が、結果的にこれが一番気を使った作業でした。後の作業は、引き抜いた手順の逆再生の順番でを心がけながらフレームに組み込んでいくと、気がついたら組み上がってました。

最後のワイヤーを固定するところは取説を確認。

取説の画像。(画像引用元:si.shimano マニュアル&技術情報 6N1FA

組み終わってもケーブルの先っぽは切り落としません。これは最後に。

これが正解なんですが、この固定の仕方、なんか頼りない気がします。(© 2019 kukurunbo)

同じ要領で、リアのシフトケーブルも交換します。

フレームのトップチューブの裏から。フロントとリアでワイヤーの色がイロチになってます。(© 2019 kukurunbo)

さっきやったことの繰り返しだから、けっこう楽です。

取り外し完了。(© 2019 kukurunbo)

チューブの端に被せるプラキャップに、一つだけ妙な形のがありましたが、

プラキャップにゴム先をジョイントできるようになってます。(© 2019 kukurunbo)

これはココで使いました。

プラ部は下から、ゴム部は上から嵌めてつなげてます。(© 2019 kukurunbo)

直感的にそうしただけなので、正解かどうかは知りません。

最後にフロントとリア、ともに変速タイミングの調整をして、

ワイヤーの端を落として金属キャップをニッパーでカシメて完成です。

(© 2019 kukurunbo)
(© 2019 kukurunbo)

以上でシフトケーブルの交換のお話しはお終いですが、実際にやってみた感想としては、楽な部類の作業でした。

このワンポイントロゴだけが、この黒ケーブル唯一の自己主張。(© 2019 kukurunbo)

最後に新旧ワイヤーの比較。新しい方は滑りやすいようにコーティングしてあって青緑色をしています。もともとと付いてた方はただのステンレスワイヤー。

(© 2019 kukurunbo)

硬さもけっこう違って、持ち上げて垂らしてみると、垂れ方にこれだけ差が付きます。上が新しいコーティング有りワイヤー、下が付いていたノーマルワイヤーです。

(© 2019 kukurunbo)

そしてこれがゴミとなった旧一式です。長い間ご苦労さま。ありがとう。

(© 2019 kukurunbo)

ちなみに、これは全くの余談なんですが、

GIANT(ジャイアント)の正式な企業名は「巨大機械工業」という、重機メーカーみたいな名前の台湾の自転車メーカーです。

https://www.giant-bicycles.com/global, Public domain, via Wikimedia Commons)

もともと彼らは、なんとウナギの養殖屋さんをしていて、日本向けにウナギを輸出をしていたんですね。そんな養殖場が、ある時に潰れかかってしまい、意味不明なんですが、ウナギの養殖業から自転車の製造業にナゾの転身を遂げたんです。
それが巨大機械工業、GIANTです。

GIANTはその後、名は体を表すが如く、世界最大の自転車メーカーにまで成長しました。

今や、この会社は最先端のカーボンフレームまでを含めた世界屈指の機械化製造技術を持ち、GIANTブランドの自社製品だけでなく、TREK(トレック)をはじめ、自転車界のフェラーリ、COLNAGO(コルナゴ)など、名だたるトップブランドのOEM製造を請負い続けています。

台湾国民から「標哥」(標兄さん)と尊敬を込めて親しまれる、リアル「なろう系」主人公、創業者の劉金標(キング・リュー)氏。写真は、2009年に始まったグローバルイベント、RLK(Ride Like King)で江田島を周遊するリュー氏。(画像引用元:GIANT STORE

潰れかけのウナギ養殖場から無敵の自転車メーカーへ。ラノベの「異世界転生」モノのような物語はどうも実在していたようです。

参考サイト:

Wikipedia、SHIMANO、GIANTGIANT STORE、など。

画像元サイト:

Wikimedia Commons、SHIMANO、GIANT STORE、など。

括坊奚

岡山市在住の野良キュレーター。
日常を豊かにするリーダーズ・ダイジェストを目指しています。
構造に関するコンテンツが好きです。

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